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溶射とは

溶射法は1909年チューリッヒ工業大学ショープ博士によって発明され、わが国へは1922年江沢謙二郎氏がこの技術を導入、ウインセン技師を招へいし電気式を開発しました。
当初は主に美術工芸品に利用され、工業面にはあまり利用されませんでしたが1932年当時、東京工業大学教授武井武博士がドイツ留学中、溶射法の将来性に着目、帰国後同大学内に溶射設備を設置し、研究の結果ガス法の優秀性が立証され脚光をあびるに至りました。
以後、工業会への進出により設備の改良、研究開発が進み、各方面で深い関心が寄せられています。

溶射の原理

現在実用化されている溶射法は
 
1・溶射材料を溶かす―
溶射材料を液状またはこれに近い状態にするために加熱溶融する。
2・溶けた溶射材科を微粒にする―
金属表面or被加工面に突きあてたときに薄くて一様な皮膜を形成させるために小さな粒子(数ミクロン~数十ミクロン)にする必要がある。
3・微粒を吹きつける―
微粒の飛行速度が速いほど、もっているエネルギーが大きくて都合が良いわけであるが、一般には150~200m/sec位。
 
以上の3操作が連続して行われる。

溶射の特徴

1・ほとんどすべての金属、セラミック、および樹脂をコーティングすることができる。
2・加工される素材の表面温度は特別な場合を除いて100℃以上にならないので、金属はもちろん、木材、陶磁器、ガラス、紙などほとんどの物体にコーティングすることが可能で、物体に歪を生じない。
3・現地加工が容易なため、どんな大型な被加工物や複雑な形状のものでも施工できる。
4・溶射皮膜厚が自由にコントロールできる。
30ミクロン~10mm以上。
5・加工時間が短い―
特に肉盛り加工の場合は、メッキだと長時間を要し、溶接だと歪を生じるが溶射はいづれの短所もカバーできる。

溶射膜の特長

1・鉄鋼大型構造物の防食には亜鉛およぴアルミニウムの溶射がすばらしい威力を発揮する。その能力は膜厚に比例するが耐用年数との関孫はおよそ次表の通りである。

アルミニウム溶射[封孔処理を行った場合]

防錆期間
環境
5~10年
10~20年
20年以上
汚染されていない自然大気環境
80
100
120
淡水に用いる環境
80
120
海水飛散地帯・塩分を含む大気中
120
180
海水に浸漬する環境
100
120
160
※単位:µm 必要平均膜厚

亜鉛溶射[封孔処理を行った場合]

防錆期間
環境
5~10年
10~20年
20年以上
汚染されていない自然大気環境
100
120
160
淡水に用いる環境
120
160
海水飛散地帯・塩分を含む大気中
160
200
海水に浸漬する環境
140
150
300
※単位:µm 必要平均膜厚
2・機械加工部品の誤作救済、磨耗した部分の再生加工が容易にできる。
イ、硬度が大きくなる(もとの金属に比べ10%硬度が高い)
ロ、極めて短時間に加工できる。
ハ、適当な有孔度をもつため貯油性が大きく、これが潤滑油保持の役目をし、磨耗が少ない。
ニ、加熱されないので製品に歪を生じない。

3・溶射の用途は非常に広範囲にわたる
イ、耐磨耗、耐食用として
ニッケル、クロム、硼素、硅素を主成分とする特殊合金の溶射
ロ、装飾、美術用として
素地には金属はもちろん、木材、石こう、陶磁器、ガラス等ほとんどの素材が可能で、ブロンズ、いぶし銀、赤銅仕上げなどの加工ができる。
ハ、放射線遮へい
ニ、導電性付与(銅およびアルミニウム溶射など)
ホ、接触抵抗の減少
へ、絶縁性付与(セラミック溶射など)
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